サッカーにおいて一歩目を速くする、瞬発力・加速力を高めることは、攻守においてのポジショニング、ドリブルで相手を交わすこと、競り合いなどにおいても非常に重要な要素です。

実際に多くの選手から、「一歩目を速くしたい」というニーズをカウンセリングの際に聞きます。

一歩目の速さに関わる5つの要素

一歩目の速さに関わる要素は多くありますが、その中から私が意識している要素を簡単にご紹介したいと思います。

簡単な紹介だけです。

1. RFD - 力を素早く立ち上げる能力

筋力はパフォーマンスや加速においても重要な要素ですが、筋力を発揮するスピードが遅ければ、相手より動きが遅れてしまうため、「力を素早く立ち上げる能力」もトレーニングしないといけません。

「力を素早く立ち上げる能力」はRate of force development(RFD)と表現されます。

上記の図の通り、RFDを高めるためにはプライオメトリクストレーニングであったり、オリンピックリフティングやウェイトトレーニングで軽量の重りを爆発的に挙上するようなトレーニングが有効です。

2. 相対的な筋力

一歩目の速さ・加速においては体重に対しての筋力である「相対的な筋力」が重要です。

体重が80kgの選手と60kgの選手では、自分の身体を動かすために必要な筋力が異なります。80kgの選手と60kgの選手が仮に同じ筋力だとしたら、60kgの選手の方が速く動くことが可能です。

 

相対的な筋力を高めるには、トレーニングではただ単に「筋肉を付ける」のではなく、体重・筋肉量をコントロールしつつ筋力を高めるという視点も持たなければなりません。

もちろん、最大筋力やトレーニングの挙上重量も重要です。しかし、そこにフォーカスをしすぎると、「ウェイトして身体が重たくなった」といったことが起こりやすいかと思います。

大事なのは「自分にとって必要な量」です。その為、体重比である相対的筋力というのはやはり重要です。

3. 力の発揮方向やムーブメントの質

「足はどのような角度で地面に接地するか」「どのように動かすか」といったメカニクスも考慮する必要があります。

これらを最適化するためにはムーブメントトレーニングのようなトレーニングが有効です。

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上記の動画は、足の接地位置や足の動かし方を適正化するドリルです。実際のピッチレベルで接地位置や足の動かし方を改善するには、このようなウォールドリルから段階的にトレーニングを発展させる必要があります。

ムーブメントトレーニングの最終的なゴールは無意識下での動きがベターになることです。

4. 前頭葉と大脳基底核 - 反応と動作の開始

一歩目の速さは筋力とメカニクスで語られることが多いですが、その前段階の「動作を開始する」というアクションには脳の前頭葉や大脳基底核といった部位が関わります。

筋力や力を最適する方向が適正化・向上しても、反応する速度や動作の開始が遅れれば相手よりも動きに遅れが出てしまうため、前頭葉と大脳基底核といった部位が適切に働いているかは非常に重要です。

 

元スペイン代表のシャビ選手は大脳基底核と頭頂葉の部位が発達しているという話は有名です。

サッカーの天才は考えていない。「直感」を磨く認知の研究 | footballista

大脳基底核は前頭葉は「前頭葉 - 大脳基底核ループ」という関係性があり、切り離して考えることは出来ません。そのため、シャビ選手の前頭葉も機能的には高いのではないかと思います。

前頭葉と大脳基底核の活性を狙うには、相手の動きに対して反応するリアクションドリルであったり、考えながらエクササイズをする、といったトレーニングを組み込む必要があります。

5. 「サッカー」という全体

サッカーにおいて、「よーい、スタート」で始まる局面はありません。基本的には相手より先に動くことが出来ますし、状況によっては相手の動きに対して反応して動く必要があります。

他のフィジカル要素も同様ですが、「サッカーにおいて」ということを考えれば、サッカーの中でフィジカル要素をトレーニングしていく必要があります。

 

現スペイン代表フィジカルコーチであるラファエル・ポル著の「バルセロナ フィジカルトレーニング メソッド」の中で、元FCバルセロナのフィジカルコーチであるパコ・セイルーロが述べている一文が紹介されています。

 

5〜20メートルのダッシュ・止まる・動き出すという動作において、セルジはグアルディオラより速い。しかし動き出す前の『予測を立てる』『次のアクションまでに味方のポジショニングを見る』『正しいポジションをとる』といった動作で最も速いのは、グアルディオラだ」

「予測を立てる」「次のアクションまでへの確認」「正しいポジションをとる」、これらの認知・判断等は「サッカーにおける一歩目の速さ」で有利な状況を作るためには必要ではないでしょうか?

まとめ

「サッカー選手の一歩目の速さ」について私が意識していることを簡単にご紹介させて頂きました。個別の要素に関しては他の記事をご参考頂いたり、今後の記事をお待ち頂ければと思います。

中学生や高校年代以降の選手にイメージしやすい内容だったかもしれませんが、小学生においても考え方は同じです。

 

「一歩目の速さ」と一言に言ってもそこに関わる要素はとても多いため、必要なのは「◯◯トレーニング」ではなく、「その人にあった一歩目を速くするトレーニング」であると考えています。

パフォーマンスを高めたいのであれば、ただガムシャラにトレーニングをするだけでなく、自分に合ったトレーニングを継続して行う必要があります。

個人のトレーナー、パーソナルトレーナーとしてそういった仕事を提供出来るよう尽力したいと思います。

 

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