先日、大阪でSEISEI FOOTBALL COACH CONFERENCE supported by SPORTに参加しました。

 

このカンファレンスでは、スペインのバルセロナでサッカーを学ばれた、

・中村貴大さん(コーチ)

・浜辺健太さん(フィジカルコーチ/監督)

・西畑勇佑さん(監督/選手)

上記3名の方が、

「トレーニングの最適化」~チームパフォーマンスが向上するスペインメソッドとフィジカル論~

という題目で二日間スペインサッカーの原理原則や考え方、指導方法について学べるカンファレンスでした。

 

なぜサッカーの監督やコーチでもないパーソナルトレーナーである自分が参加したかというと

・将来サッカー選手の指導(パーソナル・フィジカルコーチ)をしてみたく、内容が役に立つと思った

・サッカーの観点での全体論と還元主義論について勉強してみたかった

・スペインと日本のサッカー観の違いに興味があったから(半分趣味)

3点です、つまりはサッカーが好きだからです。

パーソナルトレーナーの観点からにはなりますが、復習も兼ねて、感想をまとめていきたいと思います。

還元主義論と全体論

まず、スペインサッカーについて学ぶ上で超重要なコンセプトの一つである、「還元主義論」と「全体論」を簡単にご紹介したいと思います。

 

還元主義とは簡単に言えば足し算です。

サッカーで例えるなら「テクニック+フィジカル+戦術+心理学+=サッカー」という考え方、

ヒトの身体で例えるなら「脳+神経+感覚器+筋肉+骨+内蔵+=ヒト」です。

 

しかし、この還元主義的な考え方(だけ)では物事を考えることが出来ない、何故なら「全体は部分の総和以上である」また、「大事なのは全体を構成する要素だけでなく、その構成要素の間に存在する相互作用にも同等、それ以上の価値がある」などといった理由から全体論的思考が注目されています。

つまり、全体論とは要素の足し算ではなく、構成要素それぞれが複雑に相互作用して初めて全体が存在している、といった考えです。

 

 

サッカーにおけるテクニックはただただボールを扱うテクニックといった単一のものではなく、フィジカルや戦術にもメンタルにも相互作用しています。

簡単に言えば、味方や相手が存在したり、状況判断があって初めてサッカーのテクニックとして成り立つということです。

つまり、ボールを扱うテクニック練習だけをしても本質的な意味でサッカーは上手くなっていない、フィジカル面から言い換えるなら、ウェイトトレーニングでフィジカルを鍛えてもサッカーにおいてフィジカルが強くなったとは言えない、最終的には「サッカーはサッカーで上手くなる」ということです。

 

今回のカンファレンスの中でも還元主義と全体論の説明が最初に行われました。

サッカーを全体論で捉えること、それはスペインサッカーの根幹となる部分の一つかと思います。

サッカーにおけるフィジカルの一例

サッカーでは各要素であったり、各選手がそれぞれ相互作用することによってパフォーマンス(アクション等)という形で発現されます。

なので、サッカーにおいてのパフォーマンスは一人で評価することは出来ません。

(あくまで「サッカーにおいてのパフォーマンス」です)

 

「サッカーにおけるスピード」で考えると、サッカーでは「よーいドン!」で走ることはありません。

味方のパスに対して相手より先に走っても良いですし、どこに走っても良いわけです。

足が速いのが何故良いのか、一つの理由は適切なポジションを早く取るために有利だからです。

しかし、適切なポジションを早く取るためには、状況を判断して実行するスピードも必要で、足の速さというのはあくまで一つの要素に過ぎません。

 

サッカーを複雑性の高いスポーツと捉えるのであれば、サッカーにおけるスピードは単に足の速さだけでなく、上記のような要素も絡めて考えないといけません。

そして、そのサッカーにおけるスピードを高める練習、それは当たり前ですがサッカーである必要があります、直線の20mのスプリントではありません。

サッカーである必要がある、つまりはボールや味方と相手、プレーのシチュエーション等も考慮することがサッカーにおけるスピードを高める上では必要になります。

サッカーにおけるジムでのトレーニングを考える

※ここからはカンファレンス内での話ではなく、私見です。自分の背景がパーソナルトレーナーということも考慮して読んでいただければと思います。

 

「サッカーにおけるフィジカルはサッカーで高めることが必要」といった話でしたが、しかしそれはジムの中でのトレーニングを否定するものではないと自分は考えています。

何故なら、選手一人一人のフィジカルの能力が向上(≠ウェイトの重量が上がる)することによっても、相互作用的にチームのパフォーマンスを高めることに貢献出来る可能性がある、と考えることが出来るからです。

もちろん、ネガティブに働かないよう最大限に考慮しつつです。

 

個人的には還元主義論vs全体論ではなく、還元主義論と全体論の両方の視点を持つこと、つまり二元論的に考えていく必要性があるのでは、と思っています。

どちらかに偏りすぎることで、どこかでネガティブな要素が発現するのではないかと。

参考:動作学フェーズゼロ:新しい時代

 

サッカー関係者のためにわかりやすく、あえてこういう書き方をしますが、多くの場合にジムの中でトレーナーが選手にさせることは「マシンに座らせて、筋肉を鍛える」「身体・筋肉を肥大させるトレーニング」ではありません。

ジム内でのトレーニングの目的は「動作を鍛える」であったり、「身体機能の向上」が主であることが多いかと思いますし、それらはパフォーマンスの向上や最適化、障害予防のためにも必須かと思います。

 

従来のジム内でのトレーニングで問題なのはトレーニングがジムの中であったり、ボールがない状態でトレーニングが完結し、サッカーとは切り離されているところかと思います。

従来の「ジムでのトレーニング+サッカーの練習=サッカーのパフォーマンスアップ」といった考え方ではなくて、その間を繋ぐモノ・視点がサッカーにおけるパフォーマンスへの向上/転移には必要であり、そこには今回のカンファレンスで紹介された内容がヒントになるのではないかと、カンファレンスを通じて感じました。

まとめ

今回のカンファレンスは自分の視野が広がり、とても勉強になりました。

監督やコーチの方々がサッカーを本当に学問として捉えていることが専門外の自分としては凄い興味深く、面白かったです。

 

オンラインサロンでもお世話になっている浜辺健太さんにもいくつかの質問をさせて頂き、頭の中がスッキリしました。

浜辺健太さんのオンラインサロンはこちら

 

実際の練習メニュー等に関しては自分のサッカーに対する理解が低いですので、ご紹介することは出来ませんが、ご興味のある方は810日(土)11日(日)の東京会場はまだ参加の枠があるみたいなので、参加してみて下さい。

オススメです!

SEISEIクラブ:指導者向け講習会の詳細

 

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