子どもの運動指導において、筋トレが不要なのは周知な事実ですが、身体をじーっと固めるような体幹トレーニングにおいては賛否が分かれるところだと思います。

(一言に「子ども」といっても年齢や発育の遅い早い、性差で変わってきますが、今回はあえてザックリ「子ども」という括りをしたいと思います)

子どもに必要なトレーニング・運動とは?

ただ、トレーニングについてはいろいろな考えがあると思いますし、絶対的な正解は無いかと思います。

体幹トレーニングについても同様で、体幹トレーニングが必要な場合はもちろんあるかと思いますが、他の運動に対して優先されるかが大事になってきます。

では、子どもに優先される運動とは何でしょうか??

いくつかの視点から共通点が見えてきますので、ご紹介します。

長期的なアスリート育成の「基本的動作スキル」

世界には計画的に・系統的に順序立て、段階的なアプローチをジュニアアスリートにする方法、「Long Term Athelete Development(LTAD)」と呼ばれるモデルがあります。

LTADでは0歳〜6歳であったり、6歳〜9歳、9歳〜12歳(成長期の開始)までは運動においてどんなことを意識するか、どんな運動を行うべきかであったり、競技の専門化のタイミングなどが細かく考えられています。

子どもの運動指導に携わる運動指導者の方なら一度は聞いたことある理論だと思います。

 

そんなLTADでは、「スポーツの動作を学習する前に、基本的な動作スキルをまずは獲得しましょう」としており、基本的な動作スキルとは

・走る・ジャンプ・スキップなどの「移動に関わる運動」
・バランスを保つ・方向転換・止まるなどの「バランスに関わる運動」
・物を投げる・蹴る・打つ・キャッチ・ドリブルなどの「物体を操作する運動」

 

と、分類されております。

これらの運動がバットでボールを打つ・グローブでボールをキャッチする・サッカーボールをドリブルする、などのスポーツのスキルの土台になります。

中村和彦教授の「36の動作」

こちらは以前にも別の記事でご紹介させて頂きました、山梨大学の中村和彦教授の「36の動作」です。

中村教授は子どもの運動の場面などを基に「36の動作」としてまとめ(下記画像)、全国の小中学生に推奨されており、「これらの動きを日常生活や遊び、スポーツにとり入れることで、子供の体力と運動能力を向上させることができます。」と著書で述べています。

(引用元:中村和彦「運動神経がよくなる本」マキノ出版)

 

この36の動作であったり、LTADの基礎的動作スキルにおいてもですが、身体を固定するだとか、体幹トレーニングってものはありません。

(そもそもトレーニングは補助的なモノであって、こういった比較はナンセンスかもしれません)

 

そう考えると、プランクのような数十秒ジーッと止まったままの体幹トレーニングを子どもに優先的にさせる必要があるかと言うと、疑問符がつくかと思います。

子どもの体幹を安定させるには?

しかしながら保護者の方の声で多いのが、「子どもの動きがフニャフニャで軸がないから体幹トレーニングをして欲しい」「運動している時の姿勢が悪いので体幹トレーニングをして欲しい」等です。

これらに関しては大人でも同じだと思いますが、多くの場合、身体を固定するような体幹トレーニングで解決できる問題ではないかと思います。

なぜなら、「動きがふにゃふにゃ」「運動時の姿勢が悪い」、どちらも体幹部だけの問題ではない為です。

特に子どもの「動きがふにゃふにゃ」に関しては発達の段階にも大きく左右され、身体が発達していく上で、身体の安定性も自然と高まることも多々あります。

 

また、先ほどの「基本的動作スキル」や「36の動作」などのさまざまな運動を行なっていくことで、「ふにゃふにゃに身体を使うよりはある程度は体幹を安定させた方が効率良いな」「この時は、この(良い)姿勢の方が身体は動きやすいな」と自然に学習されていきますので、一見関係なさそうな運動を行なっていても実は目的に対してはマッチした運動であることも多くあります。

まとめ

子どもの脳の発達において、飲食により摂取される「物質的栄養」と、運動などにより獲得される「感覚情報」は非常に重要です。

運動により感覚情報、例えば「平衡感覚」であったり、いろいろなモノを触ったり感じたりするときに使われる「触覚」、ボールを目で追ったりするときに使われる「視覚」などを養うことが出来る、と考えたときには、やはり体幹トレーニングみたいな固定させる運動を子どもに積極的にさせることには疑問視がつきます。

上記のことを考えて正直に言えば、やはり「外で遊ぶ」が最高です。しかしながら、現代の子どもの生活において「外で遊ぶ」時間や頻度が減っていることも多いかと思います。

 

パーソナルトレーニングがベストとは決して言えませんが、安全に効果的に、そして何故このような運動が大切かを指導できるのは専門家ならではかと思います。子どもも自ら苦手な運動なんてしませんし、そういった意味ではパーソナルトレーニングのメリットも多くあるのでは、と思います。

 

「子どもに運動する機会を与えたい」「子どもの運動についてわからないことがある」、そんな保護者の方がいらっしゃったら、ぜひお近くの専門家に頼ってみてください。

 

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