トレーニングの目的がなんであれ、トレーニングの時間が30分でも90分でも、一般の方やアスリートでも関係なく、トレーニングでは意識するべき3つのフェーズが存在します。

トレーニングにおける3つのフェーズ

トレーニングやエクササイズ、リハビリテーションの方法論やメソッドは山ほどありますが、それらを抽象化してみれば共通点を見つけることが出来ます。その一つがトレーニングのフェーズ(曲面)です。

例えば、私がライセンスを所持しているNASMというアメリカの団体では、コレクティブエクササイズ(矯正エクササイズ)の順序を

1. Inhibit(無駄な筋の緊張の抑制する)

2. Lengthen(筋の長さを長くする)

3. Activate(弱くなっている筋を活性化する)

4. Integrate(動きとして一つに統合する)

 

といった順序で行うことを推奨しています。

 

また、ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)で有名なFunctional Movement Systems社のGray Cook氏はThe Three Rsという

1. Reset(痛み、筋や関節の緊張を取る)

2. Reinforce(弱っている筋を強化する)

3. Reload (動きに負荷をかけ、強化する)

といったトレーニングのフェーズ分けを過去にブログで発信しています。

Gray Cook: The Three Rs

 

Ron Hruska氏でのPostural Restoration Instituteでは

1. Reposition(各関節のポジションを適正化する)

2. Retrain(各関節のポジションが適正化された状態で運動をする)

3. Restore(正しい運動を取り戻す)

という3つのフェーズがあります。

 

NASMはフェーズが4つありますが、いかがでしょうか?

重箱の隅を突けば、それぞれは違うことを言っているのかもしれませんが、抽象的に捉えれば、それぞれは同じことを言っていることに気付く事が出来ます。

つまりは、「身体のバランスを整えてから動く」 ということ。

 

では、次に私の表現にはなりますが、

1. リセット

2. アクティベーション(活性化)

3. インテグレーション(統合)

として、一つずつ解説していきます。

フェーズ1:リセット

まずは身体をリセットします。つまりマイナスをゼロに戻すことです。

膝の痛みや腰痛などの慢性的な痛み(マイナス)があれば、まずはその痛みに対してアプローチを行います。また、筋や関節の柔軟性に問題(マイナス)があるならば、その問題をこの最初のフェーズで介入を行います。

 

アプローチの方法としては、セラピストによるマッサージ、関節モビライゼーション、筋膜リリースと言われる徒手的療法であったり、セルフで行えることとしては、フォームローリングやストレッチ、呼吸エクササイズなどが挙げられます。

ここで注意したいのは、「問題をゼロにしないと次のフェーズに進めない」のではなく、少しでもゼロに近づけるということが大事になります。

この最初のフェーズを無視してトレーニングを行うことで、「トレーニングで腰を痛めた」、「ウェイトトレーニングで身体が硬くなった」等の問題に繋がってしまいます。

フェーズ2:アクティベーション(活性化)

身体をリセットをすることが出来たら、次に弱くなっている筋や感覚器を活性化させます。

ミニバンドを使ったアクティベーションドリルや、特定の筋を活性化するエクササイズ、体幹トレーニングなどはこのフェーズに分類されます。

このフェーズはあくまでトレーニングにおける三つ存在するフェーズの二つ目です。なので、プランクなどに代表される身体を固定する体幹トレーニングだけでは、二つ目のフェーズで終わってしまうため、トレーニングの効果としては乏しくなってしまいます。

もちろんト、レーニングの対象者であったり状況によりけりですが、基本的には次のインテグレーション(統合)のフェーズはパフォーマンスを高める為に必要です。

 

歩く、走る、ジャンプ、スクワット、ランジ、デッドリフト、ボールを蹴る、ボールを投げる、これらの運動は全て、人間の身体の機能が統合されて行われます。筋や関節はもちろん、視覚や平衡感覚を代表とする感覚機能も含めてです。

自己組織的に統合される動作を鍛えてこそのパフォーマンスアップですので、次のインテグレーション(統合)のフェーズは非常に重要です。

フェーズ3:インテグレーション(統合)

痛みや柔軟性の問題を解決し、弱くなっている筋を活性化して、身体のバランスは整いました。

そして、このフェーズでは動きとして筋や関節、感覚機能を統合していきます。

「動きは各要素が統合されたもの」ということを考えれば、立位で行う自体重のスクワット、ランジ、ムーブメントトレーニング、プライオメトリクスなどが代表的です。

まとめ

各指導者により細かい表現やニュアンス、考え方は異なるかとは思いますが、「バランスを整え、動きという一つのモノに統合する。そして、そこに負荷をかける。」こういった考えに関しては多くの指導者からコンセンサスは得られると思います。

トレーニングやエクササイズの方法論は山ほどありますが、使っている言葉は違えどほとんどの方法論はこの三つのフェーズを辿っているのではないのかと思います。

 

「新しいエクササイズをやってみたいけど、どのタイミングやればいいかわからない」、「トレーニングをどの手順でやればいいかわからない」などでお困りの方のヒントとなれば幸いです。

 

おまけ

数年前に流行った動画です。

プロボディビルの世界最高峰、ミスターオリンピア6連覇のドリアン・イエーツが指導している風景です。

ボディメイクのトレーニングですが、似たような流れで行なっていますね。

 

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